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"How to Solve It"と論理

"How to Solve It: A New Aspect of Mathematical Method"はあらゆる問題を解決するときに役立つであろう考え方についてまとめた書籍です。「あらゆる問題を解決するするときに役立つ」というとまるで夢のようですが、具体的には著者が教育や研究の場で実践的に用いたアプローチを解説しています。

著者は数学者であり、数学の問題を例題にしています。しかし提案されているヒューリスティックは幅広い問題に応用できるはずです。それが出版されて70年以上経った今でも原著で読む価値があるとされる理由だと思います。

中でも興味深く思ったのは、証明したい命題から次々に別の命題を証明していくというアプローチが有用とされている点です。そうしているうちに、もし矛盾が導けたら(Modus tollensに従って)最初の命題の否定が証明できます。一方、そうしているうちに既知の正しい命題が証明できても、いわゆる"affirming the consequent"であって論理的には何の情報も得られないはずです。しかし、著者はそれでも何かしら肯定的な解決を示唆するものとしています。

論理に関係する話題として、reductio ad absurdum(背理法)とindirect proofについても紹介されています。背理法が望ましくないとされる理由とともに、どういう状況ではむしろ好ましいのかという点が分かりやすく議論されています。

参考


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