Think Stats は、 O'Reilly Media から昨年出版された、Python プログラマー向けの統計の入門書です。
嬉しいことに、この本のサイト http://thinkstats.com/ で全文が PDF やオンラインで読めます。Creative Commons Attribution-NonCommercial 3.0 Unported License の下でライセンスされています。
中身のスタイルは平易で、最初から読み進めていけば順に統計や確率の概念が分かるようになっています。また具体的なデータとコードが用意されているので、手を動かしながら説明されている内容を確認できます。一部の exercise については答えが上記のサイトからダウンロードできます。
このようによくできたテキストですが、確率について説明しているところで気になるところがありました。5章で事象の独立性について触れているのですが、のちのち独立性が関係する事柄に言及していません。例えば6章で、確率変数の和の密度関数が convolution として表せることを述べていますが、一般にはもとの変数が独立であるという仮定を要することを明記していません。