統計上のデータを理解しやすい形に可視化するには、適切な表現が何なのかを理解する必要があります。いくつもあるチャートの種類から適切なものを選ぶというだけでも、一概に簡単とは言えません。隠されたパターンを見つけ出しやすくするだけでなく、存在しないパターンを誤って印象づけてしまわないようなものがより良い可視化といえます。可視化の目的が、検証済みのパターンを他の人に説明するためではなく、どんなパターンがあるのか(あるいは、ないのか)を自分で分析するためであればなおさらです。
"Graphical inference for infovis"は統計の仮説検定の考え方に沿って、分析に有効な可視化の方法としてどのようなものがあるかを教えてくれます。文中にある具体例はクイズ形式で順に解説されており、興味深いです。チャートの誤用について個別に批判している情報は多いですが、このように積極的に分析に有効な方法を提案しているのは珍しいのではないしょうか。