アイデアをメモするツールとしてEvernoteは便利です。モバイルでもデスクトップでもデバイスに依らずデータを共有でき、画像や音声などの様々なデータをクリップできるのが特長です。また、to-doリストを管理する機能も重宝します。
しかしEvernoteを利用することで生まれるリスクもあります:
上の2つのリスクを軽減するために、定期的にデータをバックアップするという方法があります。仮にクラウドの障害でデータが失われても、バックアップがあればサービスが復旧した後にリストアできます。また、サービス提供が終了してもデータが手元に残ります。
しかし、ここでより微妙で見逃しがちな問題が見つかります。それは、バックアップ用途のためにEvernoteが公式に提供しているエクスポートで得られるデータの形式は再利用に適していないという点です。HTMLもしくはENEX形式にエクスポートできますが、いずれも本来Evernoteに保存されていたノートをそのまま表現したものではありません。
このことは同時に、他の類似のツールに移行する妨げになることを意味します。メモを記録するという機能ゆえに、利用を続けていくうちにデータが蓄積しロックインの慣性が働きます。エクスポートされたデータを別の形式に変換するプログラムを開発することは可能でしょうが、むしろ最初からorg-modeのような"future proof"なテキストベースの形式をネイティブに扱うツールを使うという選択肢もあります。