copy-and-pasteする際にデスクトップアプリケーション間でデータをやりとりする仕組みのことをclipboardと呼びます。例えばWindowsやmacOSでは、コマンドラインからでもclipboardにアクセスできるよう、それぞれclip、pbcopy/pbpasteというようなユーティリティを提供しています。
Xのclientアプリケーション同士でデータをやりとりするclipboardについては、ICCCMを経て、最近ではfreedesktop.orgのclipboards-specで説明されているような仕様に落ち着いているようです。また、clipboardを扱うコマンドラインプログラムとしてxclipやxselがよく利用されています。
xclipには、xclip-copyfileとxclip-pastefileというシェルスクリプトが含まれており、これらを使えばXを介してリモートホスト間でファイルを転送できます。これはSECONDARY
というatomで表されるselectionを用いて実装されており、"No one ever does anything interesting with SECONDARY as far as I can tell."
という上のclipboards-spec内の一文に反例を与えています。