選択公理と(ZF上)同値な言明にはZornの補題など有名なものがいくつもあるが、中でも不動点に関する言明で同値なものもある。
例えば、ある特定の性質を持つ操作/写像/関数について不動点が存在する、という形で表されるような不動点定理と呼ばれる命題のうち、
Every noncontractive mapping from a pre-inductive partially ordered set into itself has a fixed point.
というものが選択公理と同値である。ただ、上のような写像についての条件は若干人工的に感じられるかもしれない。
不動点定理という形に拘らなければ、次のような命題もある:
\(\mathfrak{p}^2 = \mathfrak{p}\) for every infinite cardinal number \(\mathfrak{p}\)
これはつまり、任意の無限基数が\(\cdot^2\)という操作の不動点である、と言っている。これも選択公理と同値である(例えば、JechのThe Axiom of Choiceで証明されている)。