今回の記事は、次の条件に当てはまるEmacsユーザにとって役立つかもしれません。
上記の方にはol-mew(以前はorg-mewと呼ばれていました)という拡張がきっと便利です。例えば、メールを読んでそれに関連するアイデアやタスクを記録するときに、そのきっかけになったメールへのリンクをエントリに記載したくなります。このワークフローを簡単にしてくれるコマンドorg-mew-capture
をol-mewは提供します。
ol-mewの導入は、Emacsのpackageシステムのおかげで簡単です。その手順は以下のとおりです。
.emacs
等の初期設定でOrg ELPA Archiveを登録する。M-x list-packages
を実行し、パッケージ一覧からorg-plus-contrib
を選択し、インストールする。.emacs
等の初期設定に(require 'ol-mew)
を加え、Emacsを再起動する。これでorg-mew-capture
が使えるようになります。試しにMewのSummary bufferで、どれかのsubjectにカーソルがある状態で上のコマンドを実行してみてください。
さらにcaptureされるエントリのテンプレートをカスタマイズすることもできます。InboxからM-x org-mew-capture
を実行した際にリファイル先の選択と同時にリンクを作成する動作をカスタマイズするには、変数org-mew-capture-guess-alist
やorg-mew-capture-inbox-folders
を用います。詳細はこれらのヘルプを見てください。
MewもOrg-modeもそれぞれ単独で機能する便利なツールですが、さらにこれらを組み合わせることで利便性を高めるol-mewはイノベーションそのものです。ちなみに、Mew以外のEmacs上のMUA(例えばGnusやWanderlust等)でも、同じようなことが可能です。Gnusならば標準で、Wanderlustならばorg-wlという拡張があります。